半原水源地跡地利用を考える〜第3回:「観光・産業連携拠点づくり事業構想[概要]」をみる
この資料は愛川町ホームページにて全文入手できます。筆者が気になった問題点をお示しします。このとき〈筆者の視点〉として明記します。今回は時間の都合でスライド図抜きで、ご説明します。ファイルを印刷、あるいは筆者のブログを印刷して読んでいただくと分かりやすいと思います。なお、追ってスライドの入ったブログを作成します。
【資料を読むにあたっての注意点】
タイトル名「観光・産業連携拠点づくり事業構想」は作成日が不記載です。平成28年に作成されたものであることを町(当時の企画政策課)に確認しております。ページの表記が無いので、表紙をページ1とし、全部で36ページあります。
【ページ1】
表紙のみ。
【ページ2】
「本業務の目的」とあります。活字の修飾をなくしてそのまま抜き出してみます。
「半原地域周辺の既存ストックやストック効果を活用し、半原水源地跡地を起点とした、町全体の観光拠点形成を主眼に置き、新たなひとの流れ、されには新たな産業を創出する戦略的な構想を策定するものである。」
〈筆者の視点〉
何を言っているのか分かり難いです。そもそも半原水源地跡地を何にするかを明記していないので、いかようにも受け取れる内容になっています。
【ページ3】
「構想の検討フロー」とあります。問合せたところ、この図にあるような資料が別にあるそうで、今回の36ページからなる資料には対応しておりません。
〈筆者の視点〉
配布する資料に対応していない図を示す意味がありません。別な資料の図を当てはめただけの手抜きです。仮に使うのであれば注釈を入れるべきでしょう。
【ページ4】
地図なので評価の対象外です。
【ページ5】
地図なので評価の対象外です。
〈筆者の視点〉
文章間違っていますよね。「圏央道の開通により、都心へのアクセスが向上している」ではなく、「県央道の開通により、都心からのアクセスが向上している」でしょう。続く文章では「都心からの交通アクセスが向上した」と書いてあります。なお、なぜここで「都心」が出てくるのかも明確ではありませんね。お決まりの文章表現なのでしょうか。
【ページ6】
「愛川町の特徴」が示されていますが、良いことしか書けないので評価の対象外です。
【ページ7】
「半原地域の特徴」が書かれています。現在ある観光施設等の紹介程度で良いかと思います。
【ページ8、9】
「半原水源地跡地の位置」、「半原水源地跡地内の現状」が示されています。特に評価する点はありません。
【ページ10】
「半原地域と周辺地域の施設の集客状況」が示されています。
〈筆者の視点〉
筆者はレインボープラザが平成26年で2万2000人とあるので驚きました。レインボープラザに問合せしてみると、確かに数字は合っておりました。但し、研修等での利用も含まれているそうです。このページが言うところの“集客力”の解釈には注意が必要です。図にある「入込観光客」に関しては「日常生活圏以外の場所へ旅行し、そこでの滞在が報酬を得ることを目的としない者」とされています。分かり難いですね。
【ページ11】
「愛川町の認知度」が示されています。
〈筆者の視点〉
アンケートは行政の施策を行う上で重要です。ただし、この資料アンケートには不明な点が多くあります。(1)母集団が示されていない:担当職員に問合せしましたが結局不明でした。業者まかせの弊害です。(2)「愛川町Webアンケート」とありますが、町独自で行なったものではなく、今回の調査で行なったもので、企画政策課(当時)で行なった(業者)ものです。(3)n=518は人数だそうです。(4)神奈川県西部がなぜかありません。
そもそもこのアンケートに意味があるのでしょうか。距離的に愛川町から離れれば認知度は下がるものです。
【ページ12】
「愛川町に来訪するために求められる条件」としてのアンケート結果が示されています。
〈筆者の視点〉
このアンケートも不思議なものです。まず選択肢が17個もあります。複数回答可能ですが、ここまでの数を示す意味がわかりません。ここでも「愛川町Webアンケート」が登場します。同時に行なったとしますと図にあるn=518(複数回答)の表記が誤解を生みます。人数であれば前ページの人数と一致します。仮に回答数であれば最大1人で17回答出来ますので、回答者人数は31≦α≦518となりますね。どこまで業者に任せたのか分かりませんが、チェックが甘いと思います。
ところで、このアンケートで面白いことに気がつきました。愛川町に来訪するために求められる条件で選択項目「SNSやアプリ等で情報発信がされている」が3.3%で、ビリから2番目でした。平成28年当時だからなのか、それとも今でも通用するのか。今でも通用するのなら、町で行う観光アピールは方針を考え直さないといけません。
次回(後半)につづく。