いまほこ君雄による愛川町のなぜ、どうしてを調べるブログ

愛川町政の透明性を高める活動をおこないます

半原水源地跡地利用に関して〜情報カスケード

半原水源地跡地利用に関しては、その方向性が愛川町のホームページで確認する事ができます。7月15日に行われた「半原水源地跡地造成工事に係わる説明会」において、総務部長(以前の企画政策課長)は、当初予定していた質問ではないものの、跡地利用のおおよその方向性が決まっているとの回答を述べておられました。
筆者は、なぜ跡地利用の計画が道の駅に似たようなものになっているのか不思議でなりませんでした。跡地利用に関しては、町が様々な可能性を提案しても良いのではないかと思ったりしました。
さて、筆者は“情報カスケード”と言う言葉をつい最近まで知りませんでした。調べて行くと様々な分野で研究されているようで、実際、日常生活においても生じているようです。
情報カスケードを短く説明すると、人々が他の人の行動や判断を参考にし、それに従って行動することをいい、このような行動が連鎖的に広がる現象を指すそうです。
筆者が先日来ご紹介している『「みんなの意見」は案外正しい』では、「第3章 ひと真似は近道ー模倣、情報の流れ、独立性」に情報カスケードが紹介されているので、いくつか気になった文章をお伝えします。
 
 
状況が曖昧で不透明なときには、周りと同じことを自分もすれば良いというのが支配的な考え方のようだ。これは考え方としては合理的だ。集団が物事をいちばんよくわかっているとしたら、集団のやることをなぞるのは合理的な戦略だと言える。問題は、みんながこの戦略をとると、集団は賢くなくなってしまい、集団は賢くなくなってしまい、集団に従う戦略自体が合理的でなくなってしまうことだ。(62ページ)
 
コミュニティーが個々のメンバーに与えるプレッシャーを考えると、リスクを回避したいから慎重になると言う説明はわかりやすい。NFLのコーチ(著者はアメリフットボールリーグのコーチがデーター解析で有利な戦略をとらずに、多くの他のコーチがする戦略に従っていることを指摘している【筆者注】)はミスを最小限にするよう強制されているのではない。ただ、周りの人が飯で押したように同じ戦略を採っているときに、自分だけ違う戦略を採ることは難しいというだけである。新しい戦略のリスクが高く、失敗が公になって責任から逃れようのないような状況ではなおさら難しい。
こうした状況下では、集団に同調し、大きな失敗を避けたほうが、革新的な手法を導入して大失敗をするよりも、感情的にもキャリア的にも納得しやすい。この現象はハーディング(群衆行動)と呼ばれることがある。ライオンに遭遇した水牛が群れるように、アメフトのコーチも、投資マネージャーも、企業の経営幹部も、多数派でいることに安心感を覚えるようだ。(67ページ)
                                  【以上】
 
さて、半原水源地跡地利用に対する町の考え方は、他の地域にありがちな「道の駅」的な施設建設に向かっていることは過去数年来の経過を見れば明らかです。細かくいうなら、町の考えというよりも、外部発注した企業からの情報を町で承認した、といってもよいかもしれません。去年筆者は企画政策課の担当職員に、「君たち素人が成功出来るの?」と尋ねたとき、「だから、外部発注にお願いしているんです。」との返事をいまでも覚えております。
 
ジェームズ・スロウィッキーは先の章の中で、ジョン・メイナード・ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』(東洋経済新報社刊)で以下の言葉を紹介している。
「世俗的な知恵が教えるところによれば、世間は評判を得るためには、慣行に従わないで成功するよりも慣行に従って失敗したほうがよいのである。」
 
[いまほこ君雄より]
筆者は観光・産業拠点づくり事業がこのような情報カスケードによるものでないと信じたいのですが、町が行なおうとしている計画とは対立する計画を考えていますので、今回皆様にご紹介しました。