いまほこ君雄による愛川町のなぜ、どうしてを調べるブログ

愛川町政の透明性を高める活動をおこないます

議会ウォッチ〜5回目

 今回は令和6年第1回定例会より、令和6年2月29日に行われた鈴木信一議員の一般質問のうち、「中学生の制服について」を取りあげます。筆者の感想を箇条書きにしてお示しします。
 
1.中学生の制服(恐らく女子生徒と思われますが、男子生徒にもあてはまります)の問題をジェンダーレスやトランスジェンダーに関連付けて質問しており、主題は別なところにあるように思えました。
2.質問内容が取り留めの無いものに思えます。
3.教育委員会の独立性により、町長の見解が確認出来なかったのは残念でした。
4.今回の一般質問で議論された内容は現状の確認程度であるように感じました。
 
まとめ:ジェンダーレスやトランスジェンダーの話題を中学生の制服に関連付けて一般質問をすることが目的であるように思えます。現在我が国の風潮は、多数派(マジョリティー)より少数派(マイノリティー)を優遇することを“良し”としるように感じられます。加えてこの風潮に反する意見を述べようものなら攻撃を受けるという悪しき動きが存在することも事実です。埼玉県の一部地域の問題からも明らかです。このような問題は中途半端な議論ではなくしっかりした議論を行なうのが重要です。したがって、教育委員会だけでなく、町長の方針が確認出来る質問にする必要があります。筆者は様々な制度は、多数派を優先すべきで、多様な少数意見が多数派を“越える”必要は無いと考えております。もちろん少数派の意見を取り入れる必要はありますが、その為に多数派が非常に困ることは避けるべきと考えております。表題にある中学生の制服に関しては現行の制度で十分と思えました。
 
皆様はどうお考えになりますか。
 
念のため毎回以下の文章を掲載します。
愛川町議会のインターネット中継の録画から文字起ししたものは、愛川ハイジの会代表である今鉾君雄が個人的に文字起ししたものであり、非公式のものです。また一部不正確なものもございます。正確を求める方は、愛川町ホームページの町議会での内容でこ確認ください。内容に関する筆者の意見に対して疑問のある方は、筆者公式ホームページ https://www.imahoko.com/ でのメール欄をご利用下さい。」
 
文字起しの内容をお示しします。太字は筆者によるものです。
 
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(録画開始21分頃から)
 
鈴木信一議員: 次に2項目目に移ります。 2項目目は、中学生の制服についてであります。 中学生の制服については、私は平成30年の相川町議会第1回定例会の 一般質問において、 女子の制服をスカートとスラックスを導入し、 併用する考えについて、一般質問を行いました。 その際、教育委員会の方からは、 生徒の選択肢を広げるため柔軟に対応するよう、 各学校に指導してまいりたいという、このような答弁がありました。 あれから5年が経過をしておりますが、そこで中学生の制服について、 各学校にどのような指導を行ってきたのか、伺います。
 
佐藤教育長 :それでは鈴木議員の一般質問にご答弁させていただきます。 質問の2項目目、中学生の制服に関する各学校への指導内容についてであります。 現在、町立の3中学校では、それぞれ違ったデザインの制服が採用されておりますが、 生徒は登下校や学校行事等の際に制服を着用することで、 学校への帰属意識や愛校心の醸成につながるなど、 意義のあるものと考えているところであります。 鈴木議員がおっしゃられるとおり、平成30年当時は、女子の制服にスラックスを導入し、 スカートと併用していた学校はありませんでしたが、 教育委員会としても、生徒の選択肢を広げるため、 校長会など様々な機会を通して、柔軟に対応するよう指導・助言をした結果、 各校の最終的な判断において、3校とも、多様な性自認や機能性に配慮した 制服のジェンダーレス化の採用を決定し、 現在は性別に関係なく制服を選択できるようになっております。 近年、標準制服の廃止など、全国的に制服の在り方が議論されている中、 3中学校では、生徒会からの発案で、熱中症対策などを目的に、 夏季の登下校を制服ではなく、ジャージに切り替えるといった試みが行われ、 多くの生徒から好評を得たと聞いております。 反面、一部の生徒からは、制服を着こなすことで、 改めてその良さや必要性を感じたとの意見もあったとのことで、 今後の制服の在り方を考える上で、非常に参考になる試みであるものと認識しております。 さらに、学校によっては、ジャージの登下校の試みなどを受け、 今後の制服の在り方についてPTAの意見を聞く機会を設けるなど、 学校現場が主体的に制服に関する協議を進めており、 教育委員会としても、必要に応じて各校に助言をしているところであります。 いずれにいたしましても、中学校の制服は、各校が指定していることから、 その在り方については、生徒や保護者の意見を尊重した上で、 最終的に学校側が判断すべき事項であると考えておりますが、 制服には、費用面など課題がありますことから、 引き続き、学校との情報共有を図りながら、今後の制服の在り方について、 学校が適切に判断できるよう指導助言をしてまいりたいと考えております。 答弁は以上でございます。
 
鈴木議員: 今、答弁いただきました。 最初に私が申し上げたとおり、この中学生の制服については、 今から5年前にこの問題を取り上げました。 最近では、昨年の12月以降においても、原部(?)議員が取り上げておりました。 私は、ちょっと違う角度から、この問題について、 提言も含めてお話ししたいなと思います。 私が今回、改めて中学生の制服について取り上げたのは、 昨年の5月22日に届いた保護者からの声がとても気になっていたからです。 この方も、この小学生のランドセルとか、 あるいは中学生が指定する制服など、いろいろ書いてありまして、 この後に原文のまま紹介しておきますが、 トランスジェンダーの問題を抱える子にとっては、 男の子、女の子と制服が決まっていることのストレス、 うちの子どもも着心地に対して強いこだわりがあり、 合わない衣類を無理に着なくてはならず、つらい思いをしていますという、 こういう投稿がありまして、ご意見が寄せられまして、 この方は当然匿名なので、直接お話をお伺いすることができないので残念なのですが、 話ができないからこそ余計にずっと気になっておりました。 教育長の答弁では、この間、生徒の選択肢を広げるために、 校長会など様々な機会を通して柔軟に対応できるように指導や助言をしていただいたということで、 現在は性別に関係なく制服を選択できるようになっているところであります。 そこでどのような変化があるのか、現状について伺いたいと思います。
 
教育総務課長:教育総務課長、現在中学校の制服にどのような変化が出ているのかというご質問でございますが、 中学校では性別に関係なく制服が選択できるようになったことから、 現在では三中学校ともに一定数の生徒がスカートではなくスラックスを選択するといった変化が出てきていると伺っております。 以上です。
 
鈴木信一教員: 5年前にはこういった女子生徒のスラックスがありませんでしたが、 これが可能になったということでありますので、 この間の町教育委員会による指導あるいは助言が適切に行われてきた大きな成果であると同時に、 学校現場のご理解とご協力があったものであるというふうに私は思っておりますので、 その点は高く評価をしているところであります。 その上で、現在は性別に関係なく制服を選択できるようになっているということでありますから、 町側からすれば着心地の悪い制服を無理に着なくても済むはずなので、 先に紹介したような保護者のような意見は出る余地もなく、理解し難いのではないかと思います。 私もそう思っていたのですが、しかしこの問題はより根本的な問題提起として受け止める必要があるのではないかと思いました。 実は今年の1月13日に、伊勢原市男女共同参画推進委員会が主催をした講演会で、 エックスジェンダーでありアロマンティック・アセクシャルの中村健さんのお話を聞く機会がありました。 ちなみにエックスジェンダーというのは、男性または女性のどちらにも当てはまらない感覚を持つ人のことであり、 アロマンティック・アセクシャルは誰にも恋愛感情を抱くことのない人のことであります。 この中村さんは小学生の時から性に関する悩みを抱き、悩み続けていたそうであります。 その中村さんがご自身の性のあり方に気づいたのは、高校2年生になってからのことであって、 それまで自分が何で悩んでいるのかということもわからずに苦しんでいたそうであります。 例えば、男女に分けられたトイレを見て、自分はどちらに入っていけばいいのかということもわからなかったそうなんですね。 しかもその理由が自分でもわからずに本当に困ったそうであります。 そんな中村さんは、小学生の時に水着を着ることに強い抵抗感を覚えて、どうしても水泳の授業を受けたくなかったそうであります。 そこで先生に水泳の授業を休みたいとお話ししますと、担任の先生からは、正当な理由がなければ認めるわけにはいかないというふうに言われたそうであります。 先生の立場からすれば、理由もなく休むことを…認められないのは当然だと思います。 そのとき中村さんが本当に困ったのは、 自分でもなぜ抵抗があるのかを ちゃんと説明することができなかった ということであります。 結局中村さんは翌日から不登校 になってしまったそうであります。 この話を聞いたときにですね、私は 先ほどの保護者からの声を 思い出しました。 性別に関係なく制服を自由に選択 できるので、 何も問題がないことのように 思われますが、 実は男女に区別されること自体に 抵抗があるのではないかという ふうに思われます。 ちなみにですね、この講演会の模様は、 中村さんの講演内容はですね、 3月中旬あたりに動画配信される ようなので、 ぜひ参考までに 見ていただければなというふう に思います。 そこで改めて伺いたいと思います。 制服を指定する意義とその理由 について、 町教育委員会の考えを伺いたい と思います。
 
教育事務所長:はい、教育事務長。 制服を否定する意義でございます けれども、先ほど教育長が答弁を 申し上げたとおり、 中学校の制服を着用すること によりまして、 学校への帰属意識や 愛好心のほかにですね、 規範意識の醸成につながること、 また、儀式的な行事等にも使用 することができること、 さらには地域の方からも、どこの 中学生の生徒であるかが 分かるなど、意味があるもの というふうに考えております。
 
鈴木信一議員: はい、私もね、ある程度理解を しているんですが、 この制服に関しては時代とともに 大きく変化をしてきた歴史もあります。 私の時代にはですね、小学校を卒業 して中学になると、 当時は詰め襟の学生服、 これを着ることで少し大人になった みたいな気分で、 憧れみたいなものが当時はありました。 その一方でですね、管理主義的な 教育方針が強まった時代もあって、 その頃はですね、 スカートは膝下何センチとか、 ズボンはボタンですね、制服のボタン、 一番上までちゃんと留めなきゃ いけませんよと、 こういった指導も強まって、 生徒指導の名で統制しようとすると、 今度はですね、生徒が反発をして、 長いガクランとか、ロングスカート などもね、流行した時代もありました。 ジェンダーレスが広がっている今ですね、 時代の変化に応じた対応が求められている時期ではないのかなというふうに私は思います。 この制服の問題でね、ある30代の女性の方と ちょっとお話しする機会があったんですが、 その方もですね、生徒指導という名で、 いろいろね、指導された時に先生に、 なぜ制服を、この決まったことをね、 守らなきゃいけないのかというお話、聞いたそうですね。 そうしましたら先生は、 社会人になった時にね、大人になった時には、 社会にはいろんなルールがあると、 時には理不尽なルールもあると、 それをしっかり守れるように、 訓練なんだという話をね、 その時は先生も困ってね、 ちゃんとした答弁ができなかったのかもしれませんけど、 そういったことを言われたことで、 逆に不審かを覚えたというような話も聞いたことがあります。 そこで冒頭に紹介した保護者の声に答えるにはですね、 例えば制服をなくすことが一番の解決方法だとは思いますが、 これもう上から強制することができません。 ただこの間、清川村でですね、 中学生が自身がね、自分たちでこの制服のことを考えて、 どうしようかということで、様々なね、議論の結果、 自由度がかなり高まったということがね、 タウンニュースでも紹介されて、 学校からも私、ちょっと資料をいただきましたけども、 そこでですね、今、全国またはですね、 県内の公立中学校の中で、 指定の制服がない学校は何校あるのか、 わかる範囲で構いませんので、伺いたいと思います。
 
教育総務課長:教育総務課長。 それではですね、ちょっと全国ではなく、県内ということで、 県内の公立中学校の中で、 指定の制服がない学校数についてでありますけれども、 詳細な数字は把握しておりませんが、 横浜市をはじめ、秦野市、大磯町のいくつかの中学校で、 制服を廃止していると伺っております。 以上です。
 
鈴木信一議員:私もちょっと調べたんですけどね、 これはネット上の情報でありますけども、 全国では約40近く、公立の中学校で制服がないと。 そして今、ご紹介があった県内では、 横浜、そして大磯町ありません。 大磯町のですね、ちょっと調べましたけども、 令和元年の6月20日教育委員会の第3回定例会の議事録の中にですね、 中学校の制服について、大磯中学校は平成5年から服装を自由化し、 また国風中学は平成11年から制服、ジャージ及び私服からの選択肢になっているということがあります。 かなり自由度が高まっているということがわかります。 それで答弁の中にありました、この横浜市の青葉大中学校というのも、 ここは創立当初から制服のない学校として有名でありますが、 今から7年前にですね、当時校長であった森博明先生にインタビューした記事があります。 このインタビューの中で森校長は、私服という言葉には何でもいいというイメージがありますから、 派手なものを着てくる子なども想像されるかもしれませんが、本校の場合全くそういうことはありません。 一人一人の子どもがしっかりと考えて、季節やその日の状況に合わせた服装をしてくるということが定着しており、 本校の生徒の様子を語る上で一番の特徴だと思っていますというふうに答えております。 さらにですね、決められた制服というのは、私はある意味では非常に楽なんですね。 何も考えずにそれをさえ着ていればいいということなので、ある研究者によればですね、 この決められた制服を着るということは、没個性化、個性が沈むと書きますけど、 するためのツールとして機能しているという研究者の声もあります。 いずれにしましても、制服に関しては冒頭に紹介した政治人に関する悩みだけではなく、 様々な考えがあります。昨年の12月にも違う角度から花部議員も取り上げましたが、 そこで答弁の中でですね、今学校によってはジャージでの登下校の試みなどを受け、 今後の制服の荒れ方についてPTAの意見を聞く機会を設けるなど、 学校現場が主体的に制服を競技を進めているというお話がありましたが、 これは制服検討委員会または制服協議会などを設置をして競技をしているのか、 どのように競技をしているのか伺います。
 
教育総務課長: 教育総務課長 学校での制服に関する協議はどのように進められているのかというようなご質問でございますが、 学校からは特に制服検討委員会といった組織を立ち上げて、制服に関する競技を行うのではなく、 PTAとの会議の際に制服のあり方について、まずは意見交換をしている段階であるということで伺っております。以上です。
 
鈴木信一議員: 私はですね、この制服に関してはいろいろな意見があるということを先ほど申し上げましたけれども、 例えばですね、学校の代表に加え着用する生徒の代表、そして費用負担者である保護者の代表らで作る制服の妥当性や指定の意義、価格などを話し合う場として、 制服検討委員会や制服協議会というものをね、しっかりと設置することが望ましいというふうに考えております。 そこで自由にね、いろいろ意見を出し合って、最終的には決めていく。 したがって、たまたま話題になったから、そういうことじゃなくて、しっかりとしたね、そういった検討する場を設けてあげるということがね、意見を発しやすいのかな。 毎年毎年、これをね、設置をするというのはいかがなものかと思いますので、例えばですね、生徒がすべて入れ替わる3年ごとに、そういった検討をする機会を設けてあげるとか、いうことが僕は大事じゃないかなというふうにあったように思っております。各学校の主体性を尊重することは当然でありますけれども、 この間の教育委員会の指導や助言も適切に行われておりますので、 期待をしておりますので、引き続き教育委員会におかれましては、 冒頭に紹介した保護者の意見なども踏まえて、 必要に応じて様々な考え、情報提供をしていただいて、 引き続き適切な指導、助言をお願いして、私の一般質問を終わります。
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[今鉾君雄より]
この質問と回答に関して2つ程教育委員会に質問をする予定です。回答が届きましたらまたお伝えします。